エンゲージメントは、業績にどうつながるのか
エンゲージメントのスコアと業績の間には、どのような変化があるのか。安斎勇樹氏の議論から、自社のビジネスモデルに沿って行動と成果のつながりを描き、検証する視点を整理する。

エンゲージメントのスコアを追っている。改善施策も打っている。
それでも、その数値が事業成果にどうつながるのかを説明しようとすると、言葉が粗くなることがある。
「エンゲージメントが上がれば、業績も上がる」。この説明だけでは、経営や現場の納得を得るのは難しい。間にある変化が見えないからだ。
株式会社MIMIGURI 代表取締役 Co-CEOの安斎勇樹氏が指摘したのは、事業戦略と組織戦略の間に生まれる断絶だった。事業側には、目指す未来や重点施策のストーリーがある。一方、人事や組織の施策は、離職、部門間の不和、管理職の疲弊など、現場の問題に対処する形で動きやすい。
どちらも必要な仕事だ。しかし、異なる理由で動いたままでは、事業におけるその人事施策の必要性を説明しにくい。
安斎氏は、エンゲージメントと成果を結ぶ一般的な関係だけで説明するのではなく、自社のビジネスモデルに沿ったつながりを描くことが大切だと述べた。
たとえば営業組織であれば、「チームを越えたフィードバックが増える」「提案の精度が上がる」「失注が減る」などが挙げられる。こうした具体的な変化のつながりとして描くことで、エンゲージメントと業績の間にある仮説が見えてくる。
大切なのは、スコアと業績を直接つなげて語り切らないことだ。どのような行動が変わり、それが成果にどう関係するのか。そこまで分解してはじめて、検証すべき対象が明確になる。
エンゲージメントは、追うべき指標であると同時に、問いを立てる入り口でもある。数字の変化の裏側で、どんな行動が生まれているのか。そこに目を向けることが、人事施策を事業の言葉に翻訳する第一歩になる。
自社に持ち帰る問い|編集部より
・エンゲージメントの変化を、現場のどのような行動変化とつなげて説明しているか。
・その行動変化は、自社の事業成果にどうつながるのか。
・スコアと業績を直接結ばず、間にあるプロセスを検証できているか。
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登壇者・出典
登壇:守島基博氏(学習院大学 経済学部 経営学科 教授/ 一橋大学 名誉教授)、安斎勇樹氏(株式会社MIMIGURI 代表取締役 Co-CEO)。
ファシリテーター:髙倉千春氏(高倉&Company合同会社 共同代表)。
本記事は、2026年7月16日(木)に開催された「HR NOVA SUMMIT 2026 Summer」の基調講演「施策の効果を、経営会議で語れますか?」の内容から編集部が制作しています。
基調講演を映像で振り返る
2026年10月14日(水)配信予定。事前のお申し込みが必要です。
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